ニセモノお兄ちゃん

「んで、ここがお風呂ね。こっちがすぐトイレ。」


「ここがリビングとキッチンで、この奥が親父の部屋。」





唯人が家の案内をしてくれている。

やはり建物は築5年未満らしくすごく綺麗な平屋だった。




しかし家の案内なんて何も頭に入ってこなかった。


さっきの唯人の言葉が頭から離れない。




まさか。









「空心?大丈夫?」

「え?う、うん大丈夫。」

「疲れてるのかな、もうお風呂入って寝たら?」

「そうする、」





綺麗なお風呂に入って、髪を乾かして服を着る。


服は10着くらい用意されていた。

しかしどれも THE女の子 というかんじのレースやピンク系のものだった。


私はギャルまではいかないけど不良の方なのでスカートだのふりふりのレースだの履いたことも履く気もなかった。


まさかこんなところで着ることになるなんてね。





「おぉ、もう寝るのかい空心。」

「は、はい。」

おじさんに声をかけられ、背筋がぴんとのびた。

「お父さんでいいんだよ、敬語じゃなくていいし気軽に接してよ。」


いや、無理だろと思いつつも愛想笑いでかえした。





部屋に戻るとベッドに飛び込んだ。

はぁ、なんでこんなことに。




なんで私なんだろ。