夜の帳

エレベーターを待つ間に


先程の女が、儀式を終え


横に並び立った。


扉に写る仮面の眉間に


皺を寄せているのを


つかの間、眺めていると、


エレベーターの到着音が


鳴った。


ご一行様が賑やかに


吐き出され、


入れ替わりに乗り込む。


「ご一緒させて頂きます。


何階ですか?」


女は、先程までの不機嫌さ


を未塵も感じさせ無い


声色でエレベーターの


ボタンを押した。