白い、高い天井。隣には日向がこっちを向いて寝ている。手は、眠りに落ちるまでずっと私をさすってくれていたのか、私のベッドの布団の上。
自分の部屋の、ベッドの上。私は泣いたまま寝てしまっていた。
「...あ、菜花。おはよう」

大好きなんだよ、ばか。

「...おはよう日向」
「菜花、なんか辛いことでもあるの?あるんだったら俺に言えよな」
辛いことなんて、そりゃあるよ。でも、そんなことあなたに言えるわけないよね?あなたには絶対に言えるわえないよ。

日向のせいだよ、って。
叫びたい気持ちを押さえつけて。
「ううん、全然。なんだったんだろうね、私!ごめんね心配かけて。もう大丈夫だから」
そう言って私はベッドから抜け出した。
5時32分。そう記載されたスマホのディスプレイ。
「日向、私お風呂入ってくるね」
そう言ってお風呂に入りながら、私は泣いた。全然、泣き足りなかった。

なんで私はこんなにも日向が大好きなの。なのになんで日向は私のこと全然好きじゃないのよ。

お風呂から上がって、日向がお風呂に入ってる間も、泣いてしまった。
涙は1回溢れると止まらなくなって、戻ってきた日向に見つかってしまった。

やばい、また心配かけてしまう。
追求されてしまう。

「菜花...、言いたくないなら無理にとは言わないけどさ、言いたくないからずっと言わないでひとりで抱えてると死ぬぞ?俺に言いたくないなら他の人でもいいから。相談して元気になれ。」