「今日のおやつは私のピザポテトだから、着替えたら私の部屋来てね、日向」
「おう」

日向が部屋に入ったあと、胸がギュッてなって、少し感傷に浸って。
「おい、菜花?具合悪いの?大丈夫?」
びくっとなった私は咄嗟に答えた。
「ひ...日向!いや、大丈夫大丈夫!具合悪くないよー、ちょっとぼーっとしてた!行こ!」
そう言って私の部屋に入る。私はもう制服のままでいることにした。

私が自分のベッドに入ってピザポテトを取り出して、袋を開けた。
「はい日向、開けたよ。早く一緒に食べよ」
おう、と素っ気ない返事を寄越してから日向は私のベッドに侵入してきた。日向、普段からこうやって女子ととても距離が近いんだ。それは、私も、他の女子も同じ。

日向がどうってないようなこと、私には恥ずかしくて嬉しくてでも逆に苦しくなること、分からないのかな。多分、分かってないんだろうな。だって日向、昔から鈍感だもん。
私と同じように日向に悩まされてる女子は、多いんだろうな。
そしていつか日向はそこからかわいくて人気者な子を選んで付き合うんだろうな。そしたら私のことなんか、放っておかれるんだろうな。

その日向の彼女になる子は、私じゃないってことはもうわかってるから。