私は佐伯菜花、中学3年生。
そしてこいつ、私の隣で笑ってるこいつは、幼なじみの向井日向。

私はこいつが大好き。
かっこよくもないし、優しくもない。
でも、なんか知らないけど大好きなの!!
「ただいまー!!!」
実は私、その日向と同居してる。
っつっても、シェアハウスなだけなんだけれど。でもやっぱり、同居感があるんだよね...
二階建ての一戸建てで、1階がシェアスペース、2階に2部屋あって、その部屋はそれぞれ私と日向の部屋。

部屋も隣だし、もう一緒に暮らしてるのとあんま変わらないよね。
私の日向への大好きっていうのは、もちろん恋心だ。でもあっちはそんなこと思ってないと思うんだ。だから私もできるだけ普通に接してる。
「なーなー菜花ー」
私たちはいつも、一緒に帰って来てそれぞれの部屋で着替えてからどちらかの部屋でおやつを食べるのが日課。今日は私の部屋でピザポテトを食べてるところ、日向が話しかけてくる。
「んー、なにー?」
いつもこうやって話してると言えど、やっぱり恥ずかしくて緊張して平常心ではいられない。できるだけ平常心を装って答える。
「菜花好きな人いないわけー?」
私はその質問にびっくりしてしまった。日向が私の好きな人に興味があるなんて。

よくドラマとかで好きな人いるかを聞いてくるのって脈アリって言うじゃん
だからって自惚れてると後で後悔することになるからやめといた。
「じゃあ逆に聞くけどなんでそんな事聞くわけ」
その質問に日向も少しはたじろぐかな、なんて思ったけど日向は普通に
「暇だから」
って言って笑った。
...つまらない。もっとさ...