オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)

パタ…

パタパタ……


夏服のブラウスに、次々に出来るシミ。


なんで?

アレ?へんなの…

なんで、わたし…、泣いてんだろう……


コレぐらい、事故みたいなもんじゃん。

最近は気をつけてるから、少なかったけど、高校に入学したての頃は、満員電車とか帰り道とか、かなり、際どい目にもあった。

それでも、泣いたことなんか、なかったのに…


「…ふ……うぅ…ぅ…」


イヤだ。

こんなの、弱いオンナみたいで……

イヤ…

泣きたくなんか、ないのに……

泣かないって、決めてたのに……!


「……っ!?」


オトコの手が、私の太ももを撫で上げた。

全身に鳥肌が立つ。


――ヤ…ッ!!…ィ…イヤ……!!


無茶苦茶に足をバタつかせるけど、間にオトコの足を差し込まれて抑え込まれると、もう全く動けない。


――イヤッ…!

「んんっ!!ふぁ、んん~っ!」


嫌!!

触んないでっ!


――全然違うっ…


なんで…
なんで、思い出したりするんだろう……


――佐々くん……


嫌だぁっ!!

助けて…

怖いっ!!

他の人は、イヤ!!


佐々くん……

助けて……

…佐々…く、ん……


薄ぼんやりした意識の中で、

人垣より十数センチ上に、キラキラ揺れてる薄茶の髪が、

近づいてきた、気がした。


瞬間…

息を呑む。


――さ…佐…々……く……


ゾクッ……


“怒ってねえ”

いつも、佐々くんが言ってた意味が、わかったような気がした。

瞳に映る、すべてのものを呪うような眼差し。

世界から、
色彩が、
音が、
温度が、

消えていくみたい……


――ダメ…、
ダメだよ…


――ダメ……