人の気も知らないで、花美はスヤスヤと気持ちよさそうに、寝息を立てて眠っている。
「…くしゅんっ!」
ブルッ…っと、カラダを震わせ、さっきよりさらに花美が丸くなった。
このままじゃ、風邪ひくよな…
そうは思うけど、今はまだ、花美のそばに行きたくない。
乱れた衣服、そこからのぞく、薄く桜色に色づいた肌……
正直、今のオレにとって目の毒以外何物でもない。
「あぁぁ~ああっ!まったく、世話がやけんなぁっ!!クソッ!!」
バサッ!!
引っつかんだ毛布を、花美のうえに放り投げる。
あられもない姿を見ないように、その肌に直接触れないように、
花美をミノムシみたいに毛布にくるみこんでから、抱きかかえてベットに寝せる。
それなのに、
「ん、んん~~」
ミノムシから、ゆっくりと2本の白い手が生え出したかと思うと、いきなりオレに抱きついた。
「うわっ…!」
ドサッ!!
スプリングのやたら効いたマットの上では、うまく花美を支えられず、バランスを崩してベッドに倒れこむ。
ふたりで仲よく、並んでベッドの上…だ。
「あ~~……、どんな我慢大会なんだよ、コレ!」
顔を横に向けると、直ぐそばに花美の顔があった。
毛布から覗く花美の顔は、今まで見たこともない笑顔だ。
――いったい…、どんな夢をみてんだろ……
決して、表情が乏しいわけじゃない。
困ったり、泣いたり、すねたり、うっとおしいくらい、表情がコロコロ変わる。
でも…、
こいつの、こんな笑顔は思い出せない。
記憶にあるのは、いつもどこか不安げな笑顔。
他にどんな表情を隠してんだろう。
生まれて初めて、他人を知りたいと思う。
「…今度は起きてるときに、そうやって笑えよ」
「……オレ、限定で」
花美の頬に触れる。
ひっぱたかれた所は、まだ少し赤いけれど、腫れは引いたみたいだ。
そう、ホッとしたところで、
ツゥ……
うれしそうに微笑んだまま、伏せた瞳から涙がこぼれた。
「…花美?」
そのワケをオレが知るのは、
もう少し、後になってからのこと。
「…くしゅんっ!」
ブルッ…っと、カラダを震わせ、さっきよりさらに花美が丸くなった。
このままじゃ、風邪ひくよな…
そうは思うけど、今はまだ、花美のそばに行きたくない。
乱れた衣服、そこからのぞく、薄く桜色に色づいた肌……
正直、今のオレにとって目の毒以外何物でもない。
「あぁぁ~ああっ!まったく、世話がやけんなぁっ!!クソッ!!」
バサッ!!
引っつかんだ毛布を、花美のうえに放り投げる。
あられもない姿を見ないように、その肌に直接触れないように、
花美をミノムシみたいに毛布にくるみこんでから、抱きかかえてベットに寝せる。
それなのに、
「ん、んん~~」
ミノムシから、ゆっくりと2本の白い手が生え出したかと思うと、いきなりオレに抱きついた。
「うわっ…!」
ドサッ!!
スプリングのやたら効いたマットの上では、うまく花美を支えられず、バランスを崩してベッドに倒れこむ。
ふたりで仲よく、並んでベッドの上…だ。
「あ~~……、どんな我慢大会なんだよ、コレ!」
顔を横に向けると、直ぐそばに花美の顔があった。
毛布から覗く花美の顔は、今まで見たこともない笑顔だ。
――いったい…、どんな夢をみてんだろ……
決して、表情が乏しいわけじゃない。
困ったり、泣いたり、すねたり、うっとおしいくらい、表情がコロコロ変わる。
でも…、
こいつの、こんな笑顔は思い出せない。
記憶にあるのは、いつもどこか不安げな笑顔。
他にどんな表情を隠してんだろう。
生まれて初めて、他人を知りたいと思う。
「…今度は起きてるときに、そうやって笑えよ」
「……オレ、限定で」
花美の頬に触れる。
ひっぱたかれた所は、まだ少し赤いけれど、腫れは引いたみたいだ。
そう、ホッとしたところで、
ツゥ……
うれしそうに微笑んだまま、伏せた瞳から涙がこぼれた。
「…花美?」
そのワケをオレが知るのは、
もう少し、後になってからのこと。

