オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)


「花美……」

――……?


「…花美……」


……?…佐々…く、ん?


ぼんやりと、なんだか熱に浮かされたみたいで、頭がはっきりしない。

カラダ中の力が抜けちゃって、動けない。

佐々くんの髪が、顎のほうでふわふわ揺れてて、くすぐったい……

抱きしめられてる…

キモチいい…

人の体温って、こんなにも暖かくって、気持ちがいいんだって、初めて知った。


「…花美…」

「…?…はぁ…い…」


返事をした。


「ははっ……別に、返事して欲しくて、呼んでたんじゃねぇよ?」


――じゃあ、なんで?


って、思ったんだけど、

佐々くんは、抱きしめていた腕に力を込めて、さらに私を抱きしめた。

ぎゅぅうっ…!


「…ん、んん~、苦し…ぃ」

「はは、ごめん…」


圧迫が消える。

ゆっくり離れていく体温……

に、なんだか少しだけ不安になる。


暗い室内に、佐々くんの輪郭だけが、窓から入り込む光に縁どられてる。

わからない表情に、また不安になる。


ちゃんと、できた?

呆れてない?


私のそんな心の声が聞こえちゃったのか、佐々くんが安心させるように優しく声をかける。



「…初めてはさ、好きなオトコとしな、花美」



低い甘い声が、暗闇の部屋に溶けた。


―え…ぇ?


「えええぇぇぇ~~~~っ!!!!」


今の流れで、なんで、そうなるのぉぉ~~!!?