――オイ…、好きとか言ってるオンナに向ける顔じゃねぇだろ…
深く眉間にしわを刻み込み、どす黒い感情を押し込み切れないまま、優華を睨んでる。
コツ…
足音に視線を戻すと、優華がまるで気に留める様子もなく、真っ直ぐ歩いてくる。
「花美は、返してもらう」
「……」
「でも…、今じゃなくていいわ」
ダンッ…!!
叩きつける音と共に、目の前のテーブルに優華の足が乗った。
片腕を膝に掛け、ズイッ!優香が身を乗り出すと、オレの顔まで数センチだ。
「私が花美を迎えに来るまで、しっかり守ってなさい。それくらいなら、できるでしょ?」
――このっ、オンナ…!!
「ふざけんな!!」
ガタンっ!!
立ち上がった瞬間、オレと優華の間に成久が割って入り込んだ。
「どけっ!成久!!」
「4年前の事は、私の口からは言えない」
優華は平然と言うと、成久に向かってスマホを見せる。
――ごめんね…
そう、口元が声にならない言葉をつぶやいたのが、成久の背中越しに見えた。
「有意義な場でした。じゃあ、さようなら」
その微笑に、
このオンナでも、こんな顔できるんだと、その艶やかさに一瞬目を奪われた。
不覚にも、キレイだと思った。
優華が階段を下りていく。

