オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)


「…お前ら、付き合ってたのか?」

「いや?自覚したの最近だし、それより初めて言ったし」

「優華に言ってねぇの?今、めっちゃ聞いてんじゃん?いいのか?」


そう言うと、成久は優華のほうをちらりと見る。


「これからゆっくり攻略する」

「……わけわかんねぇ…」


つい、苦笑う。

この場でわざわざ言う事じゃない。

オレを落ち着かせるためか、

優香を動揺させるためなのか……

おそらく、成久には何か計算があるんだろう。


「それより、今はお前の事が先だ。優華ちゃん、こっち来て」


成久が声をかけるが、優華はピクリとも動かない。

もう、相手に隙を見せないように、器用に心と体を固定する。


――花美と同じだな…


こんなところに、繋がってなくてもかまわない、

剣菱の血を感じる。


「ふざけるのも大概にして。…私は、帰る…」

「いいから座って」


成久は軽くため息をつくと、ポケットから手を出し、目の前の椅子を引いた。

優華は完全無視だ。

ふい…と横を向き、

引かれた椅子を避けて、階下に向かう階段に近づこうとした、

…その一歩め。



「いいから、座って。…狩野優華(カリノ ユウカ)ちゃん」



成久の告げたその名に、優香の足が止まった。

大きく、大きく見開かれる優華の目。

その瞳に見つめられた空間が、恐怖に竦んでしまったかのように、

時を刻む速度を落とす。


「…そう…、そうか…、ああ…なるほど」


熱に浮かされたように、優香が呟やく。

何度も、何度も、

そして、何かを確信したのか、

突然、スローモーションが解除される。


「…そういうことかっ!…下衆がっ!!」


ザッ…!!


勢いよく優華が振り返った。

その瞳に宿った、むき出しの憎悪。


「……話したいことがあるのなら、聞く耳だけは持しましょう。…座は不要です」


オレ達を見据えた、その殺気に、

それなりに修羅場だってくぐってきたオトコ2人が、


――ゾクッ…


いい具合に気を呑まれた。