オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)

<side 佐々>



――やっぱりかっ!!



途中からさ、なんか、なんだか……さ、

そんな気がしたんだよ!


目の前の花美は、

髪を掻きむしったり、ベッドを叩いたり、唸ってみたりしてる。


――ガキが……


花美は一応オレに罪悪感があるのか、泣き声をまぜながら、懸命に説明を始める。


「…そ、その、私がちゃんとエッチ出来てたなら、違う結果になっていたかも…って」

「そのために、てっとり早く適当にヤっちまおうってか? 」


自分でも、驚くほど低い、機嫌の悪い声。

花美は、一瞬だけ体を強張らせたけど、伏せ目がちに頷く。


「だ…、だって、またHできなくてフラれたら……、どおしよう…って、もお、一生このままだったら、どおしよう~~!」


「はぁああ~……」


オレの溜息に、またビクビクと震え始める。

こんなに、怖がってるくせに……

何考えてんだ、このバカ。

大体、ヤることしか考えてないから、別れるんだろーが。


「……そんで?…オレに声かけたってわけだ…」


花美が頷く。


「オンナの扱い慣れてそうだし、後腐れなさそうだし」


さらに頷く。


「好きなオトコじゃないから、失敗しても傷つかないしなあ!」

「なんで、わかるの!?あ、でもね。生理的に受け付けない容貌の人は、最初から無理なんで、佐々くんの顔は結構好きかも」

「ばっかじゃ、ねぇの!?」


バシッ!


花美の頭をはたいた。


「あいた!」

「痛くねぇよ!手加減してやってんだろ!この、バカ!」



そう、言ったところで、花美がオレを睨む。

口を尖らせて、目を据わらせて、眉根を寄せる。


――ヤバい…

全っ然、怖くねぇ……

…っていうか、むしろ超カワイイ。


「っどぉおせ、バカだもん!」


オレに枕を投げつける。

こいつ、逆ギレしやがった!