「あゎゎわわわわ……」
目の前にみえるのは、足。
佐々くんの両足だけがベッドの端に引っかかってるのが見える。
体はベッドからずり落ちて、床の上にひっくり返ってるんだけど、
――ピクリとも動かない。
「ど、どどどどどおしよう…!」
この惨状に思考がついていかない。
ベッドの上で、パニクって固まっていると、
「……いってぇ~……」
ベッドの下から佐々くんの声がして、起き上がってきた。
まず、足をおろし…
ゆっくりと……佐々くんの手が、ベッドのシーツをつかむ。
――ギシッ……
「……ひぃっ」
ベッドの縁が少し沈む。
その瞬間、佐々くんがベッドの端から顔を出した。
髪もなんだか、乱れてて…
――なんか、生首みたい……?
私を見たまま、ゆっくりとベッドの淵に肘をかけ、頬杖をつく。
目が据わってる……
何も言わないで、じっと見てる。
――怖っ……
下手なホラーより、いろんなイミで、
超怖いっ!!
私は堪えきれず、佐々くんから目を逸らした。
ポタ…
――あ……、あれ?
パタ、ポト……
見つめたシーツの上に、落ちた涙の跡がつぎつぎにできる。

