オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)

「あのね、花美ちゃん。伊都のこと見捨てないでやってね?」

「……そ、そゆぅんじゃ、ないです」


心配したとおり、お母様はわたしと佐々くんの事を誤解してた。

すぐさま否定したけど、


「もし、あのバカが酷いことしたら言うのよ?どんなことがあったって、私は花美ちゃんの味方だからねっ!!」

「あの、本当にわたしと佐々くん、付き合ってないし、そういう関係じゃぁなくて……きゃぁあっ!!」


ガシッ!!


言い終わらないうちに、後ろから、おもいっきりお母サマに抱きつかれた。


「伊都ったら、でかしたっ!!こぉ~んな、かわいい子連れてきて!!」

「ち……、違うんですっ、本当に違うんですぅっっ!!」


私の話なんか全然通じてない!!

どおしよう!

私、ちゃんと言った?

付き合ってないって、ちゃんと言ったよね!?

なのになんでハナシが変のほうへ、こじれてくのお!?


「ねえ、今日泊まってく?あ!伊都の子供の写真見る?可愛いわよ~、今と違って!!」

「あ…ぅ」

「明日、土曜日でしょ?お買い物行こ!ね?」

「…ぇと」

「きゃぁ~ん!娘とお買い物って憧れだったのおっ!!」

「……」


ハナシを切り出す隙がない!!


確かに、佐々くんの子どものトキの写真ってのは魅力的なんだけど……

お買い物も、楽しそうなんだけど……

だけど、どうしよう、

お母様のテンションがどんどん上がってく!!

暴走中!!


「私と一緒に寝ようね!花美ちゃん!あっ、伊都とがイイよね~?」

「いいい、家帰って寝ますぅう!!」

…と、その時だった。


ガチャッ!


話をさえぎるように、突然ドアの開く音がする。


「ああ、ごめんね。お話し中申し訳ない。気分はどうかな?」


微笑みながら部屋に入ってきたのは、すっごくカッコイイ男の人。

でも、ひとめで佐々くんのお父サマってわかった。