パンッ!パンッ!
突然、手を叩く音が部屋の空気を切った。
「ほら、ほらっ!着替えさせるから、出てきなさいよっ!伊都!!」
オレの真後ろで、母さんが花美から離れろと急かす。
その声に花美の体が、ビクンッ!っと一瞬跳ねて、固まった。
「…へ?……ぇえっ!?」
スルリとオレの腕の中から抜け出すと、肩ごしに母さんの姿を見つけて、泣きそうな顔になる。
「うっ…うそ!か…私、帰りますぅ!!」
そう言うが早いか、ベッドから立ち上がろうとする。
「まだ、寝てろって…」
片手で軽く肩を押すと、花美は簡単にベッドの上にひっくり返った。
あ~あ…、正気に戻っちまったか……
ちょっと、残念。
花美は、往生際が悪いというか、それでも、まだ起き上がろうとするもんだから、
今度は母さんに抑え込まれてる。
「ダメよ!寝てなさい!」
「でも……」
「言うことを、聞きなさいぃ~っ!!」
ぼふんっ!
強制的に、上からふかふかの羽根布団をかけられて、母さんが花美に覆いかぶさる。
花美は観念したのか、
シュン……
となって、母さんがテキパキと、タオルやらお茶やら、着替え以外の準備を始めるのを、眺めてる。
ははっ…、やるじゃん母さん。
花美が目覚めて安心したのか、顔色も戻ってる。
あと、任せても大丈夫そうだな。
部屋を出て行こうと、ドアノブに手をかけたところで、
「…佐々くん……」
心細そうな花美の声に、振り返った。
「どした?」
「……」
「着替え終わったら、また来るから」
花美がホッとした様子で、小さく頷く。
そんなら様子を見て、母さんはずいぶん満足気だ。
「ほら、早く出ていきなさいってば、伊都。ああ、それと、さっきの質問の答えはもいいいからね。十分拝見させてもらったからさ」
母さんは、ドアノブを握り締めたままのオレの手を上からつかむと、そのままドアを遠慮なく開け放ち、早く出て行けとばかりに、オレに顎で指図する。
「覗くんじゃないわよ~?」
バンッ!!
豪快に閉めた。
鍵までかけやがった。
クソッ!
誰が、のぞくかっ!!
突然、手を叩く音が部屋の空気を切った。
「ほら、ほらっ!着替えさせるから、出てきなさいよっ!伊都!!」
オレの真後ろで、母さんが花美から離れろと急かす。
その声に花美の体が、ビクンッ!っと一瞬跳ねて、固まった。
「…へ?……ぇえっ!?」
スルリとオレの腕の中から抜け出すと、肩ごしに母さんの姿を見つけて、泣きそうな顔になる。
「うっ…うそ!か…私、帰りますぅ!!」
そう言うが早いか、ベッドから立ち上がろうとする。
「まだ、寝てろって…」
片手で軽く肩を押すと、花美は簡単にベッドの上にひっくり返った。
あ~あ…、正気に戻っちまったか……
ちょっと、残念。
花美は、往生際が悪いというか、それでも、まだ起き上がろうとするもんだから、
今度は母さんに抑え込まれてる。
「ダメよ!寝てなさい!」
「でも……」
「言うことを、聞きなさいぃ~っ!!」
ぼふんっ!
強制的に、上からふかふかの羽根布団をかけられて、母さんが花美に覆いかぶさる。
花美は観念したのか、
シュン……
となって、母さんがテキパキと、タオルやらお茶やら、着替え以外の準備を始めるのを、眺めてる。
ははっ…、やるじゃん母さん。
花美が目覚めて安心したのか、顔色も戻ってる。
あと、任せても大丈夫そうだな。
部屋を出て行こうと、ドアノブに手をかけたところで、
「…佐々くん……」
心細そうな花美の声に、振り返った。
「どした?」
「……」
「着替え終わったら、また来るから」
花美がホッとした様子で、小さく頷く。
そんなら様子を見て、母さんはずいぶん満足気だ。
「ほら、早く出ていきなさいってば、伊都。ああ、それと、さっきの質問の答えはもいいいからね。十分拝見させてもらったからさ」
母さんは、ドアノブを握り締めたままのオレの手を上からつかむと、そのままドアを遠慮なく開け放ち、早く出て行けとばかりに、オレに顎で指図する。
「覗くんじゃないわよ~?」
バンッ!!
豪快に閉めた。
鍵までかけやがった。
クソッ!
誰が、のぞくかっ!!

