オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)

ただ漠然と、ものを映すだけのガラス玉のような目。

きっと、まだ、半分寝てんだろうな……

ぼんやりとしながら、でも、オレを見た瞬間、その瞳にほんの少しだけ感情の色彩を帯びる。

うれしそうに、微笑む。

それだけで、胸が熱くなる。


「……花美」

「…佐々く、ん…苦し…い」


耳元で、花美の声が漏れるのを聞いて、抱きしめていたことに、自分自身はじめて気づいた。

緊張が解けていくのがわかる。

ホッとする。

よかった、心配させんなよ……


そっと、触れるだけのキスをして、

でも、強く、強く花美を抱きしめた。


いとしさに、気がふれそうだ……

違う。

たぶん、もう、とっくにおかしい。


ギシリ……


ベッドが軋むと、それと同時に、オレ中でも何かが軋んだ。


――好きだ…花美。


こんなに幸せな気分なのに、心の奥に、暗澹とした感情が湧き上がる


――好きなんだ。


「…痛っ、痛いよ…佐々くん……」


絶対に離さない……

逃がさない。


――絶対…っ……