オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)

「あの子のそばにいたかったところ、申し訳ないね」

「……」

「目が覚めたら知らせるって、月乃さんも言ってだたろう?そんな顔するもんじゃないね」

「……」


…ムカツク。

そんな顔ってどんな顔だよ。

顔をそらして、出口のドアを見つめた。

けど……


「はあっ……」


オレはため息をついた。

観念したほうが早そうだ。

口で父さんとやりあうのは、勝ち目がない。

それに、今回は確かにかなり父さんにも迷惑をかけた。


「スミマセンデシタ」


とりあえず、父さんに向き直り手短に謝る。


「心がこもってないな、まあ、でも今回はいいか、怪我人もたいしたことなかったし」


ドカッ!!


景気のいい音をさせてソファーに体を任せると、父さんは伸びをしながら天井を仰ぐ。


――相変わらず、この人は、なに考えてんだか…さっぱりわかんねぇ……


この家に生まれて以来、家族やってるけど、父さんは本当に読めない人だ。

オレも、よく成久に同じコトだ言われるケド、ここまでじゃないって自信もって言える。


「女の子がうちで倒れたって聞いたからさ、ついにお前が妊娠でもさせたかと焦ったけど……」

「なんだよ、それ」


どおいう言い草だよ。

そりゃあ、素行のいいほうじゃねぇけどさ、大体オレ、まだ花美とは……


「……セックスしてないとはなぁ、お前、なんであの子に手ぇ出さないの?父さん、ビックリだ」

「…っ!!」



その言葉に、オレのほうがびっくりだ。


「……なぁんでわかんだよっ!」

「そりゃぁ…まあ、体のラインとか、まあ処女か非処女かぐらい分かるさ。医者だしね」


――最悪……


花美のこと、そんな目でみてたのかよ。

二度と会わせねぇ。