だって、佐々くん……が、
ものすごく辛そうな顔してる……
「違うんです!わたしが…その、絡まれてて危なかったところを、助けてもらったんです!」
「花美…?」
佐々くんってば、なんでちゃんと言わないの?
口では“ババア”とかひどいこと言ってるけど、本当はお母サマのコト悲しませて悪かったって、思ってるくせに。
だって、そうじゃなかったら、そんな悲しい顔するはずない。
しょうがないヒトだなぁ…って、
でも、ああ、よかった……って思った。
佐々くんは、やっぱり優しい人だ。
「私のせいなんです。佐々くんは悪くないです。」
「違うって!…オレが勝手にキレて……」
「ごめんなさい!」
そう、頭を下げようとした直後だった。
「…え……?…うそ…」
お母サマの声がした。
さっきまでとは明らかに違う、思わず出てしまったという声色。
私がここにいること自体、初めて気がついたみたいで、
お母サマが、ものすごく驚いた様子で、わたしのコトをじっと見つめてる。
「…ぁ、…あの……だから」
「……」
「佐々くんのコト…怒んないで……くだ…さい…」
返事はない。
お母様は、ただ私を見つめたまま微動だにしない。
なんだか、佐々くんに見つめられてるみたいで、変な感じ。
でも、とにかく、
できるだけ丁寧に、
ココロをこめて、深々とお辞儀をした。
「その……本当に…申し訳ありませんでした」
――ごめんなさい。
――本当に、ごめんなさい。
「し…失礼します」
顔を上げて、今来た方向を戻ろうと振り返った瞬間だった。
――あ…れ?
グラリ……
目の前の景色が歪んだ。
ものすごく辛そうな顔してる……
「違うんです!わたしが…その、絡まれてて危なかったところを、助けてもらったんです!」
「花美…?」
佐々くんってば、なんでちゃんと言わないの?
口では“ババア”とかひどいこと言ってるけど、本当はお母サマのコト悲しませて悪かったって、思ってるくせに。
だって、そうじゃなかったら、そんな悲しい顔するはずない。
しょうがないヒトだなぁ…って、
でも、ああ、よかった……って思った。
佐々くんは、やっぱり優しい人だ。
「私のせいなんです。佐々くんは悪くないです。」
「違うって!…オレが勝手にキレて……」
「ごめんなさい!」
そう、頭を下げようとした直後だった。
「…え……?…うそ…」
お母サマの声がした。
さっきまでとは明らかに違う、思わず出てしまったという声色。
私がここにいること自体、初めて気がついたみたいで、
お母サマが、ものすごく驚いた様子で、わたしのコトをじっと見つめてる。
「…ぁ、…あの……だから」
「……」
「佐々くんのコト…怒んないで……くだ…さい…」
返事はない。
お母様は、ただ私を見つめたまま微動だにしない。
なんだか、佐々くんに見つめられてるみたいで、変な感じ。
でも、とにかく、
できるだけ丁寧に、
ココロをこめて、深々とお辞儀をした。
「その……本当に…申し訳ありませんでした」
――ごめんなさい。
――本当に、ごめんなさい。
「し…失礼します」
顔を上げて、今来た方向を戻ろうと振り返った瞬間だった。
――あ…れ?
グラリ……
目の前の景色が歪んだ。

