<side 花美>
「痛っ…!」
腕をつかまれ、乱暴にベッドに押し付けられた。
佐々くんに視線が固定されたまま、動かない。
怖いのに…、目が離れてくれない。
すらりと伸びた筋肉質の腕。
広い肩。
首元を緩めた制服のシャツから、胸板が覗いてて……
見た目は細いわりに、全然そんなことなくって、
たくましくって……
わたしは違う、オトコの人のカラダに、今さらながらに驚く。
それなのに、オンナの人より色っぽいの。
伏せ目がちに、私を見下ろす瞳はきれいな薄茶色で、
長い睫毛は、彫りの深い顔に影を落としてる。
ドクっ……!
目が合った。
ふいに、その冷たいまでの瞳の奥に、
何か得体のしれない感情を押し込めてる……
そんな気がした。
――怖い……
近づく距離。
サラサラ揺れる、少し長めの前髪。
薄い唇……が、
そぉっと、わたしの首筋を……
――噛んだ。
「ひゃ…、ぁあっ!」
噛まれたところが熱い。
私は、ぎゅぅっと目を閉じる。
心の中で、何度も何度も呪文を叫ぶ。
怖くなんかない。
怖くなんかない。
好きな人に、嫌われるほうが、もっと怖い。
――こんなコトくらい、平気!
佐々くんの唇が、ゆっくりと首筋を伝いながら私の耳を侵す。
佐々くんの息遣いに、私の口からも吐息が漏れる。
「…んっ……ぁ」
夏の制服の上から、大きな手で胸を触られて……
ビクンッ!!
体が痙攣した。
まるで自分の体じゃぁ、ないみたい。
一気に顔が紅潮する。
「あ……、は、ぁあ…」
呼吸が上がる。
上手く呼吸ができない。
縋るように見つめた薄いブルーの天井に、カーテンからもれた光がゆらゆらしてて、
まるでプールの底から、水面を見ているみたい。
――溺れちゃう…
そう、思った。
――ダメ…やっぱりま、待って……
言いたいのに、うまく声が出ない。
カラダが動かない。
襟元から進入した佐々くんの手が、
私の胸に触れ……た。
「あっ…っはぁ…ア…」
――もう…無理……!
「痛っ…!」
腕をつかまれ、乱暴にベッドに押し付けられた。
佐々くんに視線が固定されたまま、動かない。
怖いのに…、目が離れてくれない。
すらりと伸びた筋肉質の腕。
広い肩。
首元を緩めた制服のシャツから、胸板が覗いてて……
見た目は細いわりに、全然そんなことなくって、
たくましくって……
わたしは違う、オトコの人のカラダに、今さらながらに驚く。
それなのに、オンナの人より色っぽいの。
伏せ目がちに、私を見下ろす瞳はきれいな薄茶色で、
長い睫毛は、彫りの深い顔に影を落としてる。
ドクっ……!
目が合った。
ふいに、その冷たいまでの瞳の奥に、
何か得体のしれない感情を押し込めてる……
そんな気がした。
――怖い……
近づく距離。
サラサラ揺れる、少し長めの前髪。
薄い唇……が、
そぉっと、わたしの首筋を……
――噛んだ。
「ひゃ…、ぁあっ!」
噛まれたところが熱い。
私は、ぎゅぅっと目を閉じる。
心の中で、何度も何度も呪文を叫ぶ。
怖くなんかない。
怖くなんかない。
好きな人に、嫌われるほうが、もっと怖い。
――こんなコトくらい、平気!
佐々くんの唇が、ゆっくりと首筋を伝いながら私の耳を侵す。
佐々くんの息遣いに、私の口からも吐息が漏れる。
「…んっ……ぁ」
夏の制服の上から、大きな手で胸を触られて……
ビクンッ!!
体が痙攣した。
まるで自分の体じゃぁ、ないみたい。
一気に顔が紅潮する。
「あ……、は、ぁあ…」
呼吸が上がる。
上手く呼吸ができない。
縋るように見つめた薄いブルーの天井に、カーテンからもれた光がゆらゆらしてて、
まるでプールの底から、水面を見ているみたい。
――溺れちゃう…
そう、思った。
――ダメ…やっぱりま、待って……
言いたいのに、うまく声が出ない。
カラダが動かない。
襟元から進入した佐々くんの手が、
私の胸に触れ……た。
「あっ…っはぁ…ア…」
――もう…無理……!

