「花美?」
さっきまで繋いでいた手を宙に浮かせたまま、佐々くんが不思議そうに私の顔を見つめてる。
どおしよう、急に大きな声出しちゃったから、変に思われたかも知んない。
「あ…あの、…あのね!」
言葉が、続かない。
どうしよう。
じんわりと嫌な汗が滲み出してきた。
呼吸が浅くなってきたのがわかる。
カラダがどんどん重くなっていく。
なんとかここから離れる方法を必死で考える…と、その時、いいコトを思いついた。
いや、“思い出した”が正解。
大体、そのことを言うために会いに来たってコト、すっかり忘れてた。
「そ、そうだった!あのね!今日はちょっと用事があって、デートはできないの!!」
そう、言い終わったときだった。
「伊都おぉおっ!この……バカ息子があっ!!!!」
突然、背後から襲った大声に、私の声はかき消された。
振り向くと、水色が涼しげな絽(ろ)の着物を着たきれいな女性が、ものすごい勢いでせまってくる。
む…むす…
息子ぉおっ!?
もう一度、佐々くんに視線を移すと、
「…チッ……」
物凄くめんどくさそうに、舌打ちをした。
は…はは、
母デスかぁああ!?
さっきまで繋いでいた手を宙に浮かせたまま、佐々くんが不思議そうに私の顔を見つめてる。
どおしよう、急に大きな声出しちゃったから、変に思われたかも知んない。
「あ…あの、…あのね!」
言葉が、続かない。
どうしよう。
じんわりと嫌な汗が滲み出してきた。
呼吸が浅くなってきたのがわかる。
カラダがどんどん重くなっていく。
なんとかここから離れる方法を必死で考える…と、その時、いいコトを思いついた。
いや、“思い出した”が正解。
大体、そのことを言うために会いに来たってコト、すっかり忘れてた。
「そ、そうだった!あのね!今日はちょっと用事があって、デートはできないの!!」
そう、言い終わったときだった。
「伊都おぉおっ!この……バカ息子があっ!!!!」
突然、背後から襲った大声に、私の声はかき消された。
振り向くと、水色が涼しげな絽(ろ)の着物を着たきれいな女性が、ものすごい勢いでせまってくる。
む…むす…
息子ぉおっ!?
もう一度、佐々くんに視線を移すと、
「…チッ……」
物凄くめんどくさそうに、舌打ちをした。
は…はは、
母デスかぁああ!?

