オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)


車窓からの景色が、そろそろ到着することを告げている。

さて、どおしたもんかな。

花美は、まだ威嚇中。

そろそろ、にらめっこも飽きてきただけど。


「いつまで、そうしてるつもりだよ……」

「……」


花美は、じぃ~…っと、オレの顔をねめつけると、

プイッっとそっぽを向く。


「Hするだけって、約束だったくせに…」

「お前なあっ!!」

「佐々くんの、ウソつき」
「仕方ねぇだろっ!!スキになっちまったんだからっ!!」


なんだよっ、その態度!

ムカッつくなぁ~っ

腹立つなぁ~っ

そりゃあ、何やったって、キライになれそうもねぇよ?

でも、可愛さ余って何とかって言うだろ!

それだ、それ!!

力づくで抱きかかえて、車から降ろしてやろか!


「あ…あの、…到着しております…が……」

「「!!!!」」


突然、遠慮がちにかけられた声に、二人そろって跳ね上がった。

同時に声の主を見る。

舞い上がってて、すっかり存在を忘れてた。

運転席からバツが悪そうに、20代後半だろう若い運転手が振りかえってる。

見たことねぇな……新しく入ったやつか?

胸のネームプレートに『石田』。

やっぱ、知らね。

けど……


「…ぇ、え…うそ…、やだぁ……」


震える声に、再び視線を花美に戻すと、

さっきまで威嚇して強気な猫は、ひざを抱え込んで、さらにひとまわり小さくなってた。


大きな目にキラキラ光る涙を湛えて、

真っ赤になって、震えてる……

恥ずかしそうに、上目遣いで、

ジィ~……っと、

『石田』を見てる。


――は~な~び~…お前……

わざとじゃないトコロが、なおさらタチが悪りぃ……


「…ぇ…と、その…スミマセン…」


そういいながら頬を染め、あからさまに花美に見とれてる『石田』に殺意。


ドカッ!!!!

「見てんじゃねぇよっ!!」


足蹴にした。