<side 佐々>
「ウソじゃねえよ、バカ」
でも、正直失敗したと思った。
こんなドサクサ紛れに言ったって、信じるもんか。
オレなら、まず信じない。
なのに、我慢できずに告っちまった。
大体、黙ってるって性格でもねぇし、花美も悪い。
不意打ちのキス。
頬に軽く触れただけだったけど、
少し、唇が振るえてて……
潤んだ瞳。
真っ赤な顔。
“花美からして?”
なんて言ったけど、正直まるで期待なんかしちゃいなかったからな。
――マジ、うれしい……
大体、オレはめちゃくちゃ怒ってたんだよ。
花美!お前にだぞ!
あんな奴らにベタベタ触られやがって……
ああ、クソ!
花美が怖がるからやめたけど、全員ぶん殴っとけばよかった!!
お前は、もう少し、危機感を持てっ!
しかも、
“佐々くんには関係ないでしょ?”
…って、なんなんだよ、勘弁してくれ…。
マジで落ち込む。
なのに、そんなの、あのキスで、一瞬で吹き飛んじまった。
オトコってつくづく単純だ。
「うそつきぃぃいい~~~っ!!!!」
「うわっ!?」
急にカラダが押し戻された。
ぐいぃいい~~っ!!
…っと、花美が両手でオレの顔を押しのけてる。
力いっぱい、必死の抵抗。
口を金魚みたくパクパクさせながら、
「ナシ!いまのぜぇ~んぶ、ナシだから!!」
そういって、見るからに動きそうもないカラダを、無理やり起こす。
「あっ…!花…」
ドサッ……
予想通りシートからずり落ちて、花美が座席シートの狭い足元に挟まった。
「ウソじゃねえよ、バカ」
でも、正直失敗したと思った。
こんなドサクサ紛れに言ったって、信じるもんか。
オレなら、まず信じない。
なのに、我慢できずに告っちまった。
大体、黙ってるって性格でもねぇし、花美も悪い。
不意打ちのキス。
頬に軽く触れただけだったけど、
少し、唇が振るえてて……
潤んだ瞳。
真っ赤な顔。
“花美からして?”
なんて言ったけど、正直まるで期待なんかしちゃいなかったからな。
――マジ、うれしい……
大体、オレはめちゃくちゃ怒ってたんだよ。
花美!お前にだぞ!
あんな奴らにベタベタ触られやがって……
ああ、クソ!
花美が怖がるからやめたけど、全員ぶん殴っとけばよかった!!
お前は、もう少し、危機感を持てっ!
しかも、
“佐々くんには関係ないでしょ?”
…って、なんなんだよ、勘弁してくれ…。
マジで落ち込む。
なのに、そんなの、あのキスで、一瞬で吹き飛んじまった。
オトコってつくづく単純だ。
「うそつきぃぃいい~~~っ!!!!」
「うわっ!?」
急にカラダが押し戻された。
ぐいぃいい~~っ!!
…っと、花美が両手でオレの顔を押しのけてる。
力いっぱい、必死の抵抗。
口を金魚みたくパクパクさせながら、
「ナシ!いまのぜぇ~んぶ、ナシだから!!」
そういって、見るからに動きそうもないカラダを、無理やり起こす。
「あっ…!花…」
ドサッ……
予想通りシートからずり落ちて、花美が座席シートの狭い足元に挟まった。

