「…花美……」
耳を噛むようにして、囁きかけられた、吐息交じりの名前に、
ドクンッ……!
手始めに、心臓がひとつだけ大きく打った。
それだけで、あっという間に、感覚の主導権が佐々くんに奪われる。
支配される。
制服の下に隠したはずの、胸元のキスマークがあっという間にさらされて、
耳元から鎖骨、そして胸元へ、次々にキスが落とされる。
「…ぁあ…あ……っ」
舌が肌をなぞる感覚、
このカンジは、もう、知ってる。
覚えてる。
――人間じゃ、なくなっちゃう………
佐々くんが、私に作った、
――スイッチが…入る。
「やっ…、あっ!…ダメ…」
佐々くんの手が、指が、ブラの下に滑り込むと、直接私の胸に触れる。
胸の先から甘い痛み走って、全身の神経を逆なでする。
ビクン!
背中が仰け反る。
「…ぁあ…あん……っ」
――この声…ヤだぁあっ……!!
ウソ…
まって、待っ…ぁ…っ
一番敏感な部分に、吐息がかかる。
「…や…やぁっ…吸っちゃ、イヤ…ぁ…」
「…ぅ…んん~…」
声を必死でこらえる。
硬く目を閉じると、生理的に涙が零れた。
でも、全身を駆け巡る、痺れるような快感には、逆らえない。
両足の付け根が、ナンだか…ヘン……
触れられていないのに、ビリビリって電流が走る。
ジンジンする……
「…花美……」
――ささ……くん…
声にならないまま、心の中でつぶやくと、
胸の奥から、あったいものが込み上げてきた。
必死でごまかしてきた、封印していた感情が、決壊するように、あふれ出してくる。
――ダメ……
声を振り絞る。
「……し…しないって……言ったぁ……」
力の入らない体を無理やりよじって、抵抗する。
「……花美…」
「…佐々くんから…しないって…言ってた…のに…」
「…しただろ?キス。花美から……だからもう、解禁」
「…あ…あれは…ナシって……やっ…ぁ」
呼吸が整わなくて、言葉が続かない
熱い愛撫が、体温をどんどん引っ張り上げる。
汗ばむカラダ。
でも、それが冷や汗だって、
佐々くんは気づいてくれない……

