ガバッ!!
後ろにのけぞりながら、立ち上がった瞬間、
ゴッ!!
「ぁいたあっ!!」
車の中だって忘れてた!
天井に手加減なしで頭をぶつけて、後部シートにひっくり返った。
最初に車の中に放り込まれた格好に、また逆戻り。
違うのは……
すでに、私の真上におおいかぶさっている佐々くんが、しっかり私を見据えていること。
「ぃいいい…いま…の、今のナシっ!!…今のは…」
走る車窓から、オレンジ色の夕焼けが差し込んでくる。
そのせいなのか、違うのか、佐々くんの顔が少し赤い気がする。
「…だ、だだだ…だって…ついっ…」
「ナシになるか、バカ……」
「…待っ……」
沈む太陽は建物に遮られ、時折不規則な影を車内に落とす。
その影に車内が色彩を失い、夕闇に目がくらんだ瞬間、くだらない言い訳は、佐々くんのキスで封じ込められた。
「…ん……」
器用に両手を絡みとられて、後部シートに押し付けられる。
息継ぎをするごと深くなっていくキス。
「…ん…ふぁ、んん…」
やさしい、キス。
なのに捕まれた腕は、いつもより少し強引で……、指一本だって、自由に動かせない。
でも、全然怖くなんか、なくて……
「…ぁ、はっ……ぁ」
佐々くんの手が、私の胸に触れる。
されてることは、さっきのオトコたちと同じなのに、全然違う。
佐々くんに触れられたトコロから、残ってた嫌な感触が消えていく。
もう、他の誰が触れた記憶も残ってない。
塗りつぶされていく。
佐々くんだけ。
佐々くんで、いっぱいになっていく。
――う…ぁ、目が…まわる……
でも、不思議……
気持ち…いい……
ずっと、
ずぅっと、こうしてたくなる……

