「ああ、そうだったな……」
そう、返事はするものの、無性につまらない。
見た目そのままの、オンナと思えばそれまでだ。
その、オトコ好きする身体を使って、どうせ、いろんなオトコと遊んでんだろ。
そう、思うのに……
なんでだ?
なんで、こんなに腹が立つ?
――すっげぇ、ムカつく。
「クソッ!!」
訳のわからない苛立ちが、無性にこみ上げてきて、思わず叫んだ。
瞬間、花美はビクッ!っと、体を硬直させて、不安げにオレを見上る。
「ご…ごめんなさい」
「なんで、謝んの?あんた何も悪くねえだろ」
「…でも、…佐々くんが怒ってるから…」
怒る?
オレが?
「…はは」
つい、笑ってしまった。
なんで、オレが怒ることがあるんだよ。
花美は笑わない。
ますます、体をこわばらせて、不安そうに、じっとオレを見てる。
なに、怯えてんだ。
今さら。
自分からやらせてやるって、誘ってきたくせに…
――ゾクッ……
背中に電流が流れた。
オレの真下で、震える、小さな…ウサギ…
「花美……」
カワイイのに、
ムカつく。
ふざけんな。
――めちゃくちゃにしてやる……
そう、思った。

