「あっ、あっ…歩け…るからっ!…おっ…」
――おろしてほしいんです…ケド……!!
ビックリしすぎて、最後のほうは、声にならなかった。
それに、佐々くんが、私を“お姫様抱っこ”したまま、
――ギュウッ……
って、抱きしめてる腕に、力をこめる。
“ダメだ”
って、無言の返事。
――あわ…わああああっ!
甘ったるくて、
くすぐったくて、
もうどうにも、いたたまれなく、なっちゃって、
両手で顔を隠す。
…ケド、意味がない。
きっと耳まで真っ赤だもん。
――とくん……
私の心臓が、切なく鳴いた。
守られてるみたい……
大切にしてもらってるみたい……で、
――うれしい……
抱き寄せられるまま、身を任せると、頬に、佐々くんの体温を感じた。
私の右耳が、佐々くんの心臓の音を無意識に拾う。
トクン…
とくん…
私の音と重なり合う。
忘れてた、
封印してた感情……が、
あふれ出してくる……
加速するキモチを、必死でごまかそうと、声を振りしぼる。
「…あ…あの……あのっデスネ!」
うつむいたままでが、精一杯。
「……」
なのに、無視…は、ないんじゃないかなぁ?
私ばっかり、こんなに、ドキドキしてて、
いっつも、ドキドキさせられて、
ズルいよ……
「あ、あのっ…、佐々くんっってば…!!」

