「姫花?」

ガクは部屋にこもりきりの姫花のドアの前に立ち、遠慮がちに声をかけた

部屋にいるはずなのに、物音さえしない

「日向が明日戻ってくるからな」

ガクは姫花に言い聞かせるように穏やかに話す

「飯、用意してあるからな。食えよ。 じゃ、仕事行くからな…」

ガクは姫花を気にしつつ、ドアの前を後にした

姫花は3日、家から一歩も出ていなかった

ガクが出ている間は部屋から出ているが、ガクがいる間は自室にこもって出てこなかった