~at エリー~

「姫・・何飲む?」龍馬は席について、メニューに手を出さず、俯いたままの姫花に視線を向ける

「・・・・・」

「はぁ・・ じゃ、俺が適当に頼んどくよ?」

龍馬は、直にウエイターを呼び、注文を済ませた

「で? 何があったか、詳しく話して」

「・・・・」

「姫・・ 友達だろ?」龍馬は変わらず優しいトーン

姫花は、ゆっくりと龍馬にさっきあった出来事を話した

「なるほどね・・ で、賢次をりんが追ったって訳ね・・」龍馬は姫花から自分がいなかった数分の出来事を聞き、腕を組んで、天井を仰いだ

「潤也は大吾達と一緒なの?」フッと思い出したかの様に視線を姫花に戻す龍馬

姫花は、何回か首をよこに振った後「多分、一緒じゃない・・ 大達は、カフェのあといつも二人でどっか行くから、今日もその場にいなかったし・・」

龍馬は黙って、ウンウンと何回か頷き、携帯でどこかへ電話しだした

「あ~ 俺・・ サボリ?さっきさ、潤也がジフンと喧嘩になりそうになってさ、止めに入った賢次がジフン殴った 賢次はりんと一緒だけど、潤也の所在が不明 まだ、そっちにいると思うから、連行してきて いつもんとこ じゃ、よろしく」龍馬は、掻い摘んで、要所は話し電話を切った

そこへ

「お待たせいたしました・・」とウエイターがやって来た

姫花は自分の前に用意されたポットに怪訝な表情

「龍馬・・何頼んだの?」

「コーヒーだけど?」

龍馬は、自分の前に置かれたカップに口をつける

「じゃなくて、私の!」

姫花はポットの蓋を開け、香りを嗅いだ