ふたりがソファーへ座ると、目の前に3つの箱が用意されていた

「こちらがお品物になります お確かめください」とジャンが手袋をはめた手で箱から時計を出した

正直、日向とガクは姫花たちがどんな要求をだしたのか、詳しく聞いていなかったのだが、その時計の出来には驚いた

「ここまでの品物をお求めになるお客様がいらした事に感激しております ところで、今日はおふたりですか?」とジャン

「あぁ・・そうなんです 彼女達は朝から撮影で・・」とガク

「さつ・・えい・・ですか?」とジャン

「えぇ ああ見えても彼女ら三人は、日本で芸能活動をしているんですよ」と日向

「芸能活動?」とジャン

「そうです 今回は、彼女等三人が雑誌の撮影でバンコクを訪れたんです」とガク

「じゃあ君達は、彼女達の護衛ですか?」とジャン

「・・まぁ・・そんな所です」と日向

「そう・・ですか で、今日はいいんですか?」とジャン

「今日は一日仕事ですし、撮影スタッフも大勢いますし、俺らもゆっくり休ませてもらおうかと・・」とガク

「へ~」とジャンは頷きながらも何か考えているようだった

「ところで、支払いをしたいのですが?」と日向

「あ、すみません お支払いはいかが致しますか?」とジャン

「これでお願いします」とガクはジャンに黒いカードを手渡した

カードの色に一瞬目を見開いたじゃんだったが、すぐに「お待ちください」と裏へ消えていった

ジャンが戻ると、ちょうど、日向が財布から札束を出し、ガクに渡しているところだった

「じゃ、コレ、姫花の分な」と日向

「ったく・・いつまで現金主義なわけ?」とガク