そこへタイミングよく、ガクと日向が戻ってきた

「大と龍は、そろそろ本番だとよ!!!」とガク

「「・・・・・・」」

そのガクの言い方に、二人は許されていないと確信する

「行って来い!!」大吾と龍馬の曇る表情に気づいてなのか、姫花はバンッ!とふたりの背中を叩いて、笑顔を見せる

「あぁ」と龍馬は姫花に笑顔を見せ、大吾は、姫花の肩をポンっと叩いた

そして、ふたりは、みんなを見渡し、しっかり見とけよ!と大口をたたいて、部屋を後にした

「がっくん、どうなったの?」と賢次が二人が出て行ってすぐに口を開いた

「・・とりあいず、もうHPでもツアーグッズって載っちまってるし、このまま販売続行・・契約とか諸々に関しては、帰国して、事務所同士で処理してもらう事になった」とガク

「かなり、謝ってくれたんだけどね・・でも、実際痛い思いをしたのは、姫達だからね・・ 契約とか、金とかじゃ済まされないよね?」と日向

「ヒナ? なんか・・顔怖いよ?」と姫花は日向の顔を覗き込んだ

「そんな事ないよ?」と日向は姫花に笑顔をみせ、ガク達から少し離れたソファへ座っていたりんと咲の下へ姫花と腰を下ろした

「・・日向さん・・こえ~」と潤也は日向の後姿を見ながら思わず呟いていた

「・・・実際、服と髪がボロボロになっただけで、かすり傷ひとつおった訳じゃねぇけど、日向って、家族いないから・・里親にはよくしてもらってたみたいだけど、無償の愛ってヤツじゃなかったらしいし・・だから、姫花が日向に向ける一つ一つがたまらないんだと・・ 日向にとって、姫花がこの世界で唯一無二の存在って事・・ 」ガクの視線の先にいる日向に視線を移す潤也と賢次

視線の先の日向はソファにもたれかかって座り、身を乗り出して、咲とりんとたのしそうに話をする姫花を愛おしそうに見つめていた

「・・なんか・・俺・・勝てそうにねぇ・・」ポロッと潤也が呟いた

「アニキとしても複雑・・ でも、愛されるって、一人の人間として、他人に認めてもらえてるって事だろ?姫花も笑ってるしな」とガクは賢次と潤也に視線を戻した

「お前等も、そろそろ・・踏ん切りつけろよ?」とガクは潤也と賢次の肩をポンッとたたき、りんの隣へ移動した