もう、止まれなかった

触れるだけのキスは、段々深く、お互いを求めていくだけ

姫花の服も、潤也のシャツも全て脱ぐ前に二人は焦るかのようにひとつになったのだった

情事の後も二人は沢山の言葉を交わすことはなく、視線が合えば、キスをして、肌が触れれば手を繋ぎ、お互いを求め合った

太陽の光の届かないこの場所に朝はこないが、アリに言われた時間は、翌朝10時

潤也は、無言のまま立ち上がり、乱れた服と髪を直し始める

姫花は、そんな潤也の姿に口を開いた

「・・ねぇ・・ 聞いてもいい・・」

「・・なに・・」

「あの女の人は・・何?」

「・・・今、一緒に住んでる・・」

「・・・そう・・ あの部屋で?」

「・・いや・・あそこじゃない・・」

「そう・・・ 」

「それだけ? ほかに聞きたいことは?」

「ないわ・・」

「じゃあ・・ 仕事つめすぎんなよ!」

最後に潤也は昔のように、姫花の頭をグシャグシャと撫で、AQUAを去っていった