明らかに動揺している潤也の顔を覗き込むジュディは、潤也の腕を引っ張る

「あっ・・ えっと~」

とジュディをどう紹介していいのか悩む潤也

そんな二人を見て、アリが口を開いた

「こんばんは 私は、彼の馴染みの店でバーテンをしています 滞在中に是非、いらしてください 今晩は、彼女がつぶれてしまっているので、申し訳ないけれど、失礼します」

とジュディに笑みを見せたアリは、潤也にチラッと視線を送ると二人の横を通り過ぎる

潤也はそんなふたりを振り返えってまで、見送った

そして、先ほどまでアリと姫花が座っていた席に腰を下ろした潤也とジュディ

「彼女が例の子?」

「・・・・・・・」

「黙っているって事は肯定していると同じことよ? でも、あなたが言うほどじゃないんじゃないの? 亡くなった男の事なんかとっくに忘れているから、さっきのバーテンと飲んでいたんじゃないの?きっとこのままどこかのホテルにでも行くんじゃないの? あの彼、バーテンとか言いながらも結構いい腕時計つけてたし、彼女もまんざらじゃないんじゃない?」

「・・・・・・・」

「私には関係ないことだけど・・ ねぇ、それより今夜は私の部屋でいいわよね?」

「・・・・・・・・」

ジュディの話を聞いていたのか、いなかったのか、潤也はジュディを見ることもせず、席を立ち、財布から1万円札を出し、カウンターに置くと、ジャケットに手を掛けた

「潤也・・・」

ジュディは、そんな潤也の腕を掴む

「・・・・・・」

潤也は、BARで姫花とアリを見てから初めてジュディを見た

「・・悪い・・ 行くわ・・」

潤也は自分の腕からジュディの腕をどかした