人数が多いのもあるが、やはりどこにいても目立つ集団・・

日向とガクは、少し前をなにやら話しているし、その間に姫花と賢次、潤也が騒ぎながら歩いている

咲とりんはその少し後ろを歩いていた

姫花が振り返り「おふたりさ~ん!置いてくよ~」と咲とりんに向かって少し大きな声を出した

「ちょ! 姫花! んなデケ~声だすなよ」と潤也に窘められる姫花

賢次は、そんな姫花を無視し、日向とガクのほうへ向かって行った

「今行く~ ! ・・あっ!」りんが姫花に答えた、次の瞬間、視界に入ってきた男性・・

「え?」りんの視線をたどった姫花の視界にも映る・・ さっきの店員

「あ・・ お客様・・ お出かけですか?」姫花達に気がついた褐色の男性が近づいてきた

「姫花・・ こいつ誰?」と怪訝な表情の潤也

「えっと~ さっき行ったお店の人」と姫花が説明すると

「1階の宝飾店のマネージャーのジャン=ブレイク氏 先ほどは、うちのお姫様が大変わがままを申したそうで・・・」と日向が姫花をさえぎるように話に割ってきた

「え?・・・ あぁ・・ わがままなんて・・」と戸惑うジャン

「甘やかして育ててしまったようで・・」とガクもやって来た

「ちょ・・ちょっと!!」と姫花は面白くない・・

「姫、りん、咲ちゃん・・ 俺らは先に行こうか?」と賢次が三人を連れて歩き出した

「ちょ・・俺も行くって!」と潤也はジャンが気になりつつも、賢次の後を追った

賢次達が去っていくのを三人はしばらく見ていた

「・・・・さっきの子とどういう関係?」ジャンは二人を睨みつけている

「どういう関係って・・」と日向が笑った

「客と店員より・・深い関係?」とガクも薄い笑みを浮かべた

「姫様たちが御所望の時計だけど、俺らからのプレゼントって事で・・あさっては俺らが受け取りに行かせてもらうよ」と日向はさっきより一段と低い声でジャンを睨みつけた

「・・ッ・・・」思わず苦い顔をするジャン

「じゃあ・・そういう事で」とガクと日向はジャンに背を向け、ロビーで座って待っている5人の下へ急いだ