久しぶりにみんなの顔が浮かんだ

姫花は迷うことなく、エアチケットの手配を済ませ、最後の目的地へと飛んだ

姫花が選んだ最後の旅先・・・

日向が事故にあった国

潤也が住んでいる国だった

おぼろげな記憶を辿り、懐かしいドアの前に立った

呼び鈴の横には、姫花がつけた飾りがいまもそのままに残っている

ピンポーン・・・

「・・・・・・」

ピンポーン・・・

「・・・・・・」

土日の祝日もない仕事

連絡もしないで突然来たんだから、不在なのは仕方がない・・

姫花は出直そうと思い、ドアの前から去ろうとした

その時

ガチャ・・

ドアの開いた様子に、姫花が振り返ると、そこに立っていたのは知らない女の人

それもバスローブしか羽織っていないようす

「アッ・・・」

もしかして、潤也引っ越しちゃった?

と姫花が言葉を選んでいると

「どうした~?」

聞きなれた声が部屋の中から聞こえた