「悪いけど、ソナも組織ももう俺のモンだから・・ 姫花の時みたいに、なくなってから大切だって気づいても遅いぞ・・ ジフンは、自分の道と居場所早く見つけろ 」

ジフンは龍馬の言葉を頭を下げたまま聞いていた

ジフンの目から流れた涙は、鼻筋を伝い、そのままカーペットに落ちてしみを作っては消え、作っては消え・・と繰り返していた


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姫花が降り立ったのは、イギリス・ロンドン、ヒースロー空港

日向が眠る国だ

しかし、姫花の足は、日向の元へは向かっていなかった

バッキンガム宮殿・ビックベン・大英博物館・・・

パンフレットに載っている有名な観光名所をめぐった姫花は、パディントン駅近くのホテルにチェックインした

ハロッズで購入した着替えの入った袋をベットに放り投げ、バスルームへ向い、熱いシャワーを頭からかぶる

18歳の姫花には、自分がどうしたいのか・・

わからなくなっていた

アニキに連れられて、日本に戻りたくなかった

仕事を続ける自信もなかった

ジフンのところにいたのも、誰にも連絡をいれなかったのも、逃げだった

モヤモヤとしたままの気持ちのまま濡れた髪もそのままに、バスローブを羽織ったままの姫花はそのままベットにダイブし、眠りについた