「籠姫ってところだろ? 昨日も、温室で一人で過ごしていたもんなぁ・・」

と龍馬は昨日の姫花を思い出していた

「極力人目に触れないように、自分だけのものにでもしようとしたのか?」

「そういや・・お前のボディガードも随分離れていたしな・・ 俺が近づいても気がつかねぇし・・ あん時は、そいつの力量かとおもっていたけど、あれは、ガードなんかしてんなかったんだな 」

と龍馬はひとり納得した

「・・どいういう事だ?」

ジフンが顔を上げた

「簡単なこと お前の側近たちは、ハナッから姫花をガードなんかしていなかった・・ しているフリをしてただけ・・ 姫花が誰かに狙われて消えても、なんの支障もない・・
しかも、お前が執着していた女がいなくなれば、また家業に戻ってくれるかもしれない・・ そんなとこだろ?」
と龍馬はサラッと言い終えた

「ふざけんな! 姫花をてめぇらの世界に首突っ込ませんな! あいつは今までも、これからも一切関わらねぇぞ!」

ガクは龍馬の胸倉を掴みあげた

「がっくん!! わかってるって!! 落ち着いて!!」

自分のシャツからガクの手を引き離す龍馬

龍馬の言葉に、ジフンは唖然と固まってしまい、目の前でガクが怒鳴っている声さえも届いていないようだった

「・・り・・龍馬・・・」

しばらくしてジフンが口を開いた

「「・・・・・・・」」

龍馬もガクも黙ってジフンを視界にいれる

「・・本当に、申し訳なかった・・」

ジフンは再び立ち上がり、頭を下げた

「・・・・・・・」

その姿を見て、ガクは黙って立ち上がり、部屋を出て行こうとしていた

龍馬もガクを追って、たちあがり、ドアの前でジフンを振り返り口を開いた