手を出そうとする姫花に

「お前はいつも食ってるだろ~が! お客さんに先に配るだろ?」

と潤也が姫花を小突く

「はいはい・・」

としぶしぶ手を引っ込める姫花はそのまま立ち上がり、ソファに座った

そして、姿勢を正し、口を開いた

「みんな、今日はわざわざこっちまで来てくれてありがとうね
ヒナもみんなに見送られて逝ける事喜んでいると思う
私、コレが済んだら、日本に戻ろうと思ってる
学校も卒業したいし・・・
それで、お願いがあるんだけど、2ndの出版、延期にしてほしいの
もう少し、待って欲しい・・・」

姫花はみんなの顔を見渡した

さっきまでの潤也とのやり取りで、潤也に乗り換えたのか・・と思ったが、まだ姫花の心に神路日向が生きている・・と感じた

そんな空気の中

「いいよ・・・」

賢次が口を開いた

「日向さんも姫花のタイミングでいいって言うと思うし・・ それより、卒業したらどうするの?」

「ん~ とりあいず、のんびりする?」

と姫花

「・・今ものんびりしてんじゃん!」

と大吾は笑った

そして、いつものメンバーの中にいつもの時間が流れた

姿はないけど、その時間の中に日向がいるんだと、みんな感じていた