どのくらい、そこに立っていたのだろうか・・

アニキと潤也が少し疲れた様子で、それでいてホッとした表情で私の前に現れた

しばらく、下を向いていた私も、二人が戻ってきたので、顔をあげた時、視界に入ったのは、二人ではなく、ヒナだった

誰か知らない人が、ヒナの顔に手をかざし、目を閉じさせていた

見間違えない 見間違えるわけがない

彼の目を

それほど見てきただろうか・・

彼の瞳の中にうつる私の笑顔を・・

思いっきり、叫んだ

愛しい名前を

目の前に横たわる彼に飛び込んだ

いつもなら、強く抱きしめてくれて、優しく名前を呼んでくれるのに、今日のヒナは動かなかった

触れた肌が冷たかった

それでも、ずっとそうしていたかったのに、アニキに引き剥がされた

たくさん呼んだ

「ヒナ、ヒナ」って

でも、その声がもう彼には届かないって

だから私は目を閉じた

見たくなかったから・・

そして、次に目を開けたとき、見えた世界に色がなかった