「姫花・・ 日向はいないようだよ?」

ガクは姫花に話しかけた

「・・・た」

姫花が口を開いた

「え? 姫花?」

二日ぶりの妹の声に驚くガク

「ヒナ!!!」

姫花はそう叫び、走り出した

ガクと潤也は驚きながら姫花の後を追った

姫花は一直線に走っていき、すでにガクと潤也が確認していた遺体に飛びついた

「姫花!!!」

ガクは、その遺体から姫花を引き剥がす

「ヒナ、ヒナ・・・」

姫花は顔をグシャグシャにして泣きながら、ヒナと呪文のようにつぶやいている

その時、潤也はベットから垂れ下がった遺体の腕に目がいった

「がっくん・・ 日向さん・・ですよ」

潤也の目にも涙がたまっている

「違う! 日向は、日向は・・・・」

とガクはその場に膝をついた

そして、その目にうつる遺体の腕につけられたブレスレット・・

バンコクに行った際に9人お揃いでつくったものだった

その事に潤也もガクも気がついたのだ

三人の前に横たわる遺体に日向の面影は全くなかった・・

ガクと潤也は間近で、遺体を確認していたのに、日向だと気がつけなかった程に・・