教室に入れば、相変わらず早苗と目が合う。
だけどお互いすぐそらしてしまう。

自分には、
避けられたらどうしようってなって
話しかける勇気さえもない。


だから、時間の問題でもある。

寂しいは寂しいけど、
功が居てくれるからなんとか乗り越える事ができている。



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放課後。

久々の部活。
お互いマネージャーの仕事があるから話さなくても済む。


「梨乃、ストレッチ。」

返事をして私は選手の所へ向かう。


「早苗、ドリンクお願い。」


そして聞こえてくる早苗を呼ぶ声。
前までなんて事なく聞き流してたのに、
早苗が今何をしてるのか気になったりする。



コートの端から端まで動き回る選手たち。

選手たちは背が高くて、ゴールにビュンビュン入っていくボールたち。



うちの部はかなり強いのかもしれない。
この間の練習試合も、
かなりいい成績だった。



三年生も、あと1ヶ月で引退試合だ。
刻々と、三宅先輩と一緒にいれる時間も迫っている。



そんな時、功がゴールを決めた。
あまりにもクリアなゴールだった。


やっぱりかっこいいな。
惚れ惚れしてしまうんだ。


上を見上げる綺麗な横顔も、
そのあと見せてくれる、爽やかな笑顔も。
仲間とハイタッチを交わす長い腕も。



さすが功って周りに言いふらしたくなる程、
私は功が大好きだ。



早苗も同様、功を見ている。