教室に戻れば、功はお昼を済ませたみたいで、また机におでこをくっつけてスヤスヤと眠ってる。


でも私にはわかる。
これは狸寝入りだと言うことが。


功には秘密だけど、いつも功は寝たふりをするときぎゅっと目を瞑る。


本人は無意識のうちにやってるみたいだけど、完全にバレバレだ。


私は功の近くにより、腰掛けた。


「功、ごめんね。お昼食べれなくて。」

するとクルッと向きを変えてすぐ起きた。
ほらね。

「いーよ別に。そんな可愛い声で謝られたら、許すしか無いじゃん。」


“可愛い声”

胸のあたりが、キュッて高鳴る。


「やっぱり起きてたんだね、功。」

「お見通しだね。梨乃のばーか。」

「寂しかった?」

「ちょっとね。」


すると功は窓の方へ頭を傾け、 眠りについた。本当によく寝れるよね。功に目が冴える事は無いのかな?


そよ風が功の髪をふわふわと浮かせる。


日差しが功の髪や肌を温かく照らす。


それが綺麗で。


私はずっとそれを黙って見とれていた。