何の用だろう?
まさかこの後体育館裏でボコボコにされるとか?



そう怪訝な顔をした私の様子を見かねたのか
阿久津先輩は


「大丈夫だよ。昨日の事は気にしてない。ただ、梨乃ちゃんともっと話してみたいなって。」


そう言った。
どういう…風の吹きまわし?
さっきからクラスの人の視線が凄いんだけど…


「え?何で私なんですか?と、とりあえず場所、変えましょう。ね?」



「え?梨乃?」


功が私を呼び止める。


「功ごめん。私少し用があるから…」


そう押し切って私は先輩を連れ出した。




「先輩、少しは自分の人気自覚してください。かなり目立ってましたよ?」


「あーごめんごめん。」


そう言って先輩は頭に手を当てる。


「ひ、否定しないんだ…
それより、いきなりどうしたんですか?」



「だから、梨乃ちゃんと話してみたいなって。だからせっかく誘ったのに。梨乃ちゃんは冷たいね。」


「冷たい??まあそういう事にしといてください。
何で私なんですか?だって昨日、先輩の機嫌壊すような事したのに。」



すると先輩は、少し溜めてからこう言った。



『俺、梨乃ちゃんが好きみたい。』