「ねえ梨乃さん。何でそんなに、参考書にがっついてられるの?」



テスト直前。
私は参考書を見て確認をする。



功はというと、そんな事は一切せず私の髪をいじったり、参考書をツンツンしたり…



「功、鬱陶しいからやめて。」


「え、鬱陶しい…
かなり傷つくんだけど。」



「はぁ、こっちは確認してるの。だから、邪魔しないでって事だよ。功の方こそ、確認とかしなくて良いの?」


功はちょっと首を傾げて考える。


「んー。めんどくさいし。」


そう言って功は机に突っ伏。

はあー。
頭が良いからそんなことできるんだよ。


功はテスト前でも能天気らしい。

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「ふうー。
テスト終わったぁ!」


「うん!お疲れ、とばっちゃん。」


早苗は、とても晴れ晴れとした顔つきだ。
よっぽどテストが苦手なのを実感するほどね。


「功、購買行く?」

「うん。」


「ねえ、とばっちゃん。
あの人が呼んでるよ?

ほら、あのイケメンの。」


「え?」


早苗がそう指さすのは…


「阿久津先輩?」


爽やかなのに嘘っぽい笑顔の阿久津先輩だ。



そして、

「梨乃ちゃん、お昼一緒にどう?」


そう言って私に笑って見せた。