「ん…んん…?」


目をゆっくりと開ければ、なぜか私は功の腕の中にいて…


お、お姫様抱っこをされているじゃありませんか!


「へっ?功…帰ってきたの?」



「梨乃?良かった。よーやく起きた。
ただいまー。」


「ちょっと!何してるの?」


そうよ!そもそも何で私が、功に抱っこされてなきゃいけないの?


功は満更でもないように、抱っこされたまま呑気に鼻歌を歌う。



「いや……
ちょっと梨乃が可愛かったから…さ?」


悪びれずそういう功。
全く!信じらんない!


「私の事、
ぬいぐるみとかだと思ってるでしょ?」


「…あ、バレた?」



「まあ、良いけど…
さ、ご飯食べよ?功、疲れたでしょ?」


「うん。そうするよ。あー、眠たい……」


功はくわぁっとあくびをした。
か、可愛い…。



「功…ぎゅってして良い?」



「え?…ん。おいで。」



そうして功の腕に飛び込む。


いつまでたっても変わらない、
私たちの習慣。


功の広い胸は、とっても落ち着くから。


功だけは特別。


そう感じれるから。


「梨乃…良い匂いする。」


功は優しく私を撫でながら、首筋に顔を埋めてキスを落とす。


こんな時、功が本当に近くて功で頭がいっぱいになって、満たされていく。



「梨乃……好き。」



「うん。…私も功が大好き。」



私はもう一度、彼をぎゅっと抱きしめた。


「く、苦しい…」



「やめないもんね。功、ぎゅー!!」



「うん。ぎゅ〜だね。」




やっぱりね、私は君が大好きなんだ。



『大好きな彼は超能天気ボーイ』

Fin.