7年後……


私たちは大学を卒業して
地元から少し離れた、中小企業に勤めることになった。


私は事務のお手伝いみたいなものだけど、功はバリバリ働くサラリーマン。


私たちが幼馴染である事も、既に結婚してる事も、同棲してることも、社内では秘密。


仲のいい同期だと思われてる。


秘密って感じが、少し特別に聞こえる。



(先帰ってるね!お仕事頑張って!)


なんて、メールを送って会社を後にする。


功は残業もあるし、
いろいろ大変な時だから、
私が先に帰って美味しいご飯を作って功を待つ。



今日は串カツ!
作り終えた私は、部屋を掃除したり何なり……



でも次の瞬間。


ゴロッゴロゴロ……


嫌な予感…これって…雷?


ガシャン!



そんなような音が部屋にこだまする。


「ひ、ひぇ〜〜!」


思わずその迫力ある音に身震いをする。
そして、照明が消えてしまった。



「え?嘘……。」


目の前が真っ暗になって、
窓辺の方へふらふらと歩く。


(こ、怖い…お願い!早く帰ってきて!)

20を過ぎて情けない。それは分かってる。
分かってるんだけど……
やっぱり怖い…


「功…早くっ帰ってきて…!功……功…!」


30分くらいたっても、功は帰ってこない。
怖い…怖すぎる。


さっき絶対近くに落ちてたし!
雨も降り出して、フローリングもそれなりに冷え始める。

私はソファーに枕を抱え耐える。


そしてふわっと…意識を手放した。