帳 梨乃 side


早苗大丈夫かな?そんなことを思い、二人が出て行った別室に入ろうとする。


でも聞こえてきたのは…


「あのさ、早苗。」


「ん?どうしたの?」


「好き。」


っは!?これはもしかして!


「えっ、」


「俺、早苗が好き。だから、付き合ってほしい。」

やっぱり!早苗、返事はもちろん…!



「へっ!!わ、私も!」


そんな可愛い声。
頬を赤らめた早苗が想像できる。

いつかの日、
「私は良い人じゃない」
って功を巡って私と喧嘩しちゃって、

でも新しい恋を見つけて健気に頑張ってて…


そんな早苗が…報われたんだ。


気づいたら私はドアの向こうで泣いていた。
だって…嬉しすぎて。


「何泣いてんの?」


「あっ功!し、静かに…」


そしてドアの方から聞こえる声を功も聞いて…


「良かったじゃん。」


そう言って笑顔で涙を拭ってくれた。
手が、優しい。


「私たちもあっちに負けないくらいラブラブにならないとね!」


「ふはっ…うんそうだね。あー疲れたー。」


クスリと笑う功。そして能天気にあくびをする。


文化祭は、
私たちに素敵な恋を招いてくれた。


私を守ってくれて、それで…優しく涙を拭ってくれた君。

やっぱり私は君が好き!