先輩たちに手作りのクッキーを渡せば、
とっても喜んでくださった。



なんかこう言うのすごく嬉しいよね。



次の部長は阿久津先輩となった。
でも話す勇気がなくって…



目は合うんだけどね…

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駅のターミナルでバスから降り、功と二人で歩く。


「梨乃、はい。」


そう言って手を差し出す功。

「え?」


「え、じゃなくて、ほら人多いから。
というより、もっと梨乃と触れてたい。」


功は頭を掻きながら、照れくさそうにそう話す。


功が…可愛い!




「功!私も功に触れてたい!」



そう言って手を握る。
その瞬間腕を引かれ、気づけばすっぽり功の胸の中へ。



「きゃっ」


人が多いんじゃなかったのか!


なんてツッコミは後回し。


人に見られて恥ずかしのか、
それとも功とこんな事してるからなのか、

ドキドキと心臓がしめつけられる。




「どうしよう、」

「?どうしたの功?」

「梨乃が可愛すぎて死にそう。」

「えっ!?
可愛すぎる?えっ !?死にそう!?」



「くくっ慌てすぎだから。」



功はクスッと笑って軽く私のほっぺたをつつく。

その笑顔がたまらなく好き。



「…ごめんなさいね、
梨乃さんはすぐ慌てるんですよーだ。」


口を尖らせて偉そうにしてみる。


そんな時…

「あれ?梨乃ちゃん?」


そう声をかけてきたのは、

「えっ…も、もしかしてルナさんですか?」

「ええ、そうよ。久しぶりね。
えっとこの子は確か功君だったかな?」

「はい、そうです」

とても美人で、兄さんが今まで付き合った彼女さんたちの中でも特に仲良くしてもらったルナさん。

もうそれも過去のお話なんだけどね。



「どう?海斗は元気?」

「…えっと。それは…」

「もしかして、また女遊びしてるとか?」

「はい。そんな感じです。
ルナさんと別れてからなんです。」

「…そっかぁ。
私が口出す権利なんかないんだよねぇ、
私が全部悪いんだから。」

「えっ。」

なんか…あったのかな?

「そうだ。ここだと話しにくいし、どっか行かない?」

「そうですね。功も良い?」

「いや、僕は帰るよ。ほら、ゆっくり話しておいで。」

にこりと微笑む功は、とっても優しげに私の肩に手をポンと置いた。


「功…ありがとう!」

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