「や、やめて！思い出させないで！あ、あぁ！いやだぁー！こ、来ないで、いやだ、いやだ、いやだよ！」

「どうしたんだよ天宮！おい、天宮！！」

「近づかないで！いやぁぁぁぁぁぁぁ！」

私は悲鳴をあげる。というか、奇声だろうか。

「はぁ、はぁ、はぁ！いや、いや、いやぁ！あああああ！」

「天宮！」

「つ、鶴谷くん？やめて、遠くへ行かないで、離れないで、やめて、逃げていかないで……私を……置いて行かないで……」

「天宮……俺はどこへも行かねぇぞ」

「う、嘘だ！みんな言う！絵空事を！軽々しく！」

「鶴谷さん、大丈夫ですか？！」

私の悲鳴を聞きつけて、川鷺さんが駆けつけた。

「川鷺、大丈夫だ」

「鶴谷、く、ん。や、やだ、よ」

鶴谷くんは、私のことを抱きしめた。

「天宮、大丈夫だ。俺は絶対みえねぇ。俺はな、女に嘘つくほどだらしなくねぇぜ」

「鶴谷、くん」