彼氏の上手なつくりか譚






「そうだな。いろいろ用意しとかないとな。プレゼントに、ツリーや飾りつけ、七面鳥……」


「あ、じゃあ、私、ケーキ作りますね!」


「……できればケーキはやめてくれないかな?」


「そうでしたね。じゃあ、代わりに何がいいですか?」


「ちょっと思いつかない……」


「えー? ちゃんと考えておいてくださいよ?」


私はカイエンくんの腕をとった。


カイエンくんは一瞬、立ち止まったけど、すぐにゆっくりと歩き出した。


周りが私たちを見ている。


女子がヒソヒソと私たちを見ながら、何か言っている。


きっとカイエンくんファンからの悪口なんだろうな……(笑)


でも、そんなこと気にならないくらい、私は今、幸せだ。