「素敵な表紙だね」 「漫研の子に描いてもらったんだ。でも、素敵なのは表紙だけじゃないよ」 冊子を開くと、いろんな小説や詩、短歌、俳句が収められていた。 おそらく、文芸部の部員が書いたものだろう。 全部を最後までは読めないけど、タイトルと書きだしを見ているだけで、興味を掻き立てられた。 「下村くんの書いた小説もあるの?」 「もちろん。ほら、これ」