「つ、捕まえてー!」 部屋からそう声がして、切羽詰まったその声に押し出されるように、私は猫を追って走った。 「待ってー! そこの猫ちゃん、待ってー!」 髪を乱しながら、必死になって猫を追いかけて走った。 そして、走りながら思ったこと。